心の目で見る外の世界②


お久しぶりです。竹谷です。梅雨入りしたと思ったら、突如として真夏がやって来ましたね。急な気候変化に驚いておりますが、太陽のパワーをもらいつつ日々をエネルギッシュに過ごしていこうと思っております。
さて、ここからは先月ご紹介したコミュニケーションのうまくいかなさについて、その現象を客観的にみていこうと思います。
アンナ・フロイト(フロイトの娘)はストレスから自分を守るための心の働きを防衛機制という概念で整理しました。その防衛機制とは発達段階に応じて獲得され、それぞれ適応的な側面(自然な心の動き)と不適応的な側面(事実を自分の都合のいいように捻じ曲げて思い込んだり行動したりするなど)とが存在し、さまざまな防衛機制が複合的に働くことで精神安定を保っていると考えられます。その中の一つに投影という防衛機制があります。投影とは、自分の心の中の個人的な記憶、体験という内容物(光、映像データ)を人や物(スクリーン)に映し出してしまい、そのことに気付かずに外的状況がそうなっていると捉えてしまうことです(プロジェクターで出力された映像を見る)。つまり、色眼鏡で物事を捉えてしまうことです。
前回のブログで提示した例でいうと、誰が悪いわけでもなく部下は上司に怒っている上司像を勝手に投影し、上司は部下からの投影を受けて怒りで反応しています。もしかすると、その根底には部下の親が無口で突然怒り出す人で、その恐怖体験があるため無口で表情の読みにくい目上の人の前で萎縮してしまいやすいという傾向があったのかもしれません。また、上司の方も小さい頃から無口と無表情さ故に友達ができにくかったり、ぼうっとしているだけなのに「怒ってるの?」などと頻繁に聞かれたりして傷つきや怒りが蓄積されていたのかもしれません。そして、お互いがお互いのネガティブな感情を投影し合い、コンプレックスが刺激され関係がうまくいかなっただけのことなのかもしれません。
いかがでしょうか。普段悩んでいることについて、心理学的な知識を使って客観的に分析してみることで自分が思い悩む必要や傷つく必要はないことに気づく場合もあります。ご自身で分析することが難しいと感じる方は、ぜひ聖心こころセラピーにお越しくださいね。