夫婦間DVカウンセリング
配偶者からの「暴言・暴力・侮辱」に耐える一番の理由は、”子供のため”と考える人が多いです。
しかし、実際は子供を言い訳にしているだけで、自分自身が自立できていない「共依存」の典型パターンに陥っているケースがほとんど。
夫婦間や家庭内DVの一番の犠牲者は子供です。本当の意味での子供のためにも、DV問題に正面から向き合いましょう。
DVとは家庭内暴力
DVとは”ドメスティック・バイオレンス”の略語で「家庭内暴力」のことを意味します。
家庭内暴力の定義は広く「思春期の子供による暴力」や「子供への虐待」まで含まれますが、現代では「配偶者や恋人などからの暴力」という意味で使われていることが多いです。
DVは家庭内で起きるものなので、周囲に気づかれにくく身近に感じていない人も多いでしょう。
しかし、実際はDVを経験している人は多く、一見なにも問題ないような家庭で起きているケースが多いです。
日本のデータで、男性から身体的暴力を受けたことのある女性は26.7%で、4人に1人はDVの被害経験者です。また、繰り返される継続的な暴力を受けたことのある女性は10%程度いるとされ、10人に1人は深刻な被害にあっています。
DVが起こる原因
日本でDVが起こる原因は、日本の社会制度が関係しています。
社会構造として、男性が経済的・社会的に優位になってきた日本の文化には「子育ては女性の役割・妻は夫を世話して支える存在」という考え方が根付いており、男性優位の考え方が存在していました。
男性が優位であるという考え方は、攻撃性や暴力性が男らしさという歪んだ証明に変化し、日本の中で長期的にDVが許されてしまいました。
DVとは双方向の喧嘩と違い、加害者が被害者へ一方的に暴力をふるいます。
被害者はいつ暴力を受けるかわからない状態なので、常に怯えており心身が休まることはありません。さらに長期に渡ってDV被害を受け続けると、被害者は「私が悪いから殴られるんだ」という歪んだ認識をするようになり、抑うつ状態となって身動きが取れなくなるケースもあります。
日本の社会的に、女性が被害を受けることの多いDVですが、近年では男性がDVを受けるケースも増えているようです。
単純な夫婦喧嘩と違い、DVの関係性を放置すると生死にかかわる問題に発展する可能性があります。
当記事ではDVについて詳しく解説していきますので、少しでも問題の解決にお役立てください。
DVと傷害事件は表裏一体
他人に暴力を振るえば、その瞬間に「傷害事件」となります。
夫婦、親子の関係であっても暴力は許されません。たとえ家族であっても暴力をした瞬間に「傷害事件」になります。
DVを繰り返す心理には、以下のような原因があります。
DVを繰り返す人の心理状態
- 自信が無い
- 劣等コンプレックスを感じる
- 育った環境の中でDVを体験した
他人との比較や育った環境が原因でDVを繰り返してしまうケースが多いです。
DVのサイクル
DVをする人は毎日暴力をふるうイメージがあると思いますが、DVにはサイクルがあることが一般的です。
DVのサイクル
- ハネムーン期
- 緊張形成期
- 爆発期
暴力を振るった直後は「もう二度としない」と謝罪し、その後は優しく思いやりのある態度をとります。
この「暴力→謝罪→優しい態度」を繰り返す時期が”ハネムーン期”です。
このとき被害者は、つかの間の優しさに依存し一時期は暴力に耐えられます。
ハネムーン期は長続きせず、次に”緊張形成期”に移ります。
緊張形成期とは、DV加害者が自分の思い通りにならないことが増え、イライラして椅子を蹴るなどの攻撃的な態度をとり、緊張状態が続く時期のことです。
さらに攻撃的な態度はエスカレートしていき、我慢できなくなった矢先にパートナーへ暴力を振るう時期を”爆発期”といいます。
このとき、加害者は「爆発期」の暴力を肯定したいため、被害者に「お前が悪いんだ」と振る舞うことが多いです。
このように「ハネムーン期・緊張形成期・爆発期」のサイクルを繰り返すことで、DV関係が形成されるのです。
DVの種類
DVと聞けば一般的に「殴る・蹴るなどの身体的暴力」というイメージを思い浮かべますが、実際には「身体的暴力」に限らず、大きく5つに分類されます。
身体的暴力
身体的暴力はDVの典型例です。「殴る・蹴る・物を投げる」など加害者が被害者に一方的に暴力を振るいます。
前提として暴力をふるった時点で傷害罪です。身体的暴力を受けた被害者は、パートナーから身体的な暴力をうけたという精神的なダメージも残ります。身体・精神的に傷つくのが身体的暴力の特徴です。
心理的(精神的)暴力
心理的(精神的)暴力は、相手を精神的に追い込むという特徴があります。
具体的な行動は以下の通りです。
気に入らない・相手が従わない場合の心理的DVの具体例
- 恫喝する
- 脅す
- 恥をかかせる
- 無視する
- 命令口調で罵倒する
- 携帯電話の連絡を無断でチェックする
- 持ち物を勝手に調べる
上記のどれか1つにでも被害があれば、心理的DVを受けている可能性があります。心理的DVを受けると自尊心が傷つき、長期にわたり受け続ければ精神に甚大なダメージを受けるため、カウンセリングなどで早めの対応が必要です。
性的暴力
性的暴力は性的欲求をパートナーに強要するDVです。
具体的な行動は以下の通りです。
性的DVの行動例
- パートナーにセックスを強要する
- 偏った性癖を相手が望んでいないのに従うまで強要する
- 避妊しない
- 望みもしないアダルトコンテンツを見せる
パートナーが要求に従わなければ、心理的DVを並行して行うなど精神的に追い詰めます。パートナーの要求に応え続けるという身体的・精神的に苦痛や屈辱を与え続けるDVです。
経済的暴力
経済的暴力は、生活に必要な費用をパートナーに渡さないDVです。
具体的なDV方法は以下の通りです。
経済的DVの例
- 所得を加害者が独占的に管理する
- 生活費などは必要最低限しか渡さない
- 預貯金は全て加害者のものだと主張する
- 被害者が働くことを禁じる
- 加害者がお酒やギャンブルに生活費を使い込み、被害者を困窮させる
経済的DVは、被害者に経済的な余裕を持たせない目的があります。被害者の経済力をなくすことで、被害者が加害者なしには生きられないような関係性を構築しようとします。
社会的暴力
社会的暴力は被害者の社会生活を制限します。
具体的なDV例は以下の通りです。
社会的DVの例
- 加害者が被害者の人間関係や行動をずっと監視する
- 友達や親族の人付き合いを制限する
- 携帯電話やパソコンの所持を禁止して、オフラインの生活を強制する
社会的DVは、被害者に社会との孤立を起こさせるDVです。軟禁状態にすることで自立や自己判断をできなくし、被害者が立ち直れないようにします。
DV被害者の特徴や心理
DVの被害者はDVを受けることに慣れてしまうと、なかなか元の状態に戻すことができません。
元の状態を戻すために加害者から離れることができても、しばらくするとまた加害者の元へ戻ってくるパターンが多いです。
加害者から抜け出せない理由として、複雑な心理状態や恐怖心が関係しています。
また、被害者の中には自分がDVをうけているという認識が無い人も多いです。長期にわたりDVを受け続けることで、認識が歪んでひどい目にあうことが日常化してしまうのです。
認識が歪んでしまう被害者の考え
- 自分が悪いからパートナーが怒っている
- パートナーにもストレスが溜まっている
- パートナーは精神的に病んでいるから自分が救うために一緒にいる
- パートナーの家庭環境に問題があるから気持ちはわかる
- 厳しい言葉やつらい言葉をかけるのも私を愛しているからだ
上記のように自分の解釈で相手を理解しようとしてしまいます。
その後「ハネムーン期」に入ってしまうと、加害者は優しい態度をとるため「やっぱりいい人だった」と思い込んでしまい、被害者は自分の歪んだ認識を変えられません。
また、自分がDVを受けているという認識があるのに、加害者から脅されて恐怖で行動できない人もいます。
加害者は、被害者へ「DVを受けていることを人に話したら殺す」などの言葉で脅し、被害者に恐怖を植え付けます。
被害者は「別れたとしても報復されるかもしれない」と考えるようになり、別れる決断ができないようになるのです。
子供がいる家庭はDVから逃げにくい
子供がいる家庭だと、DVから逃げられない理由が増えます。
子供がいるとDVから逃れられない理由
- 子供には父親が必要
- 子供のために我慢する
- 子供との生活するお金が無くなる
このように、子供のためにDVを我慢し耐え続ける人は多いです。
さらに、経済的DVを受けている場合は、別れると生活ができないため特に逃れられません。
DVが常態化してしまうと、被害者は自尊心の低下や無気力が起こります。だんだんと自立した生活が送ることが難しくなり、DVを受け続ける悲惨な状況から脱出できなくなっていきます。
DV加害者の5つのタイプ
「DV加害者は特殊な人」と思われるかもしれませんが、一見するとDVをするように見えない人がほとんどです。
普段周囲の人達からは、真面目で冷静な人という印象を持たれることも多いです。
警察沙汰になると「そんな人には見えなかった…」と、周囲の人を驚かせます。DVの加害者は職業や学歴、年齢にばらつきはありますが、5つのタイプに分けることが可能です。
DV加害者の5つのタイプ
- 嫉妬深いタイプ
- 男尊女卑の考えが強いタイプ
- 責任転嫁するタイプ
- 批判的な言動を繰り返すタイプ
- 弱いものいじめをするタイプ
それぞれのタイプについて解説します。
嫉妬深いタイプ
嫉妬深いタイプは、付き合い始めの頃などは非常にやさしいです。
しかし、好きだからという理由で、徐々に被害者の私生活を監視するようになります。被害者の日常行動を制限・監視し、さらに交友関係を断ち切らせて孤立させようとするでしょう。
嫉妬深いタイプは、社会的DVや経済的DVをする傾向があります。
男尊女卑の考えが強いタイプ
男尊女卑の考えが強いタイプは、パートナーが仕事で成果を上げたり、資格勉強などで自立したりする行動を嫌います。
女性が自立できてしまうと、自分が優位ではなくなるからです。
男尊女卑の考えが強いタイプは、自分よがりな性的DVや経済的DVをする傾向があります。
責任転嫁するタイプ
責任転嫁するタイプは、自分の「暴力・暴言・経済の制限・行動の制限」を全てパートナーの責任にします。
問題に直面すると自分で責任をとりたくないため、全て他人のせいで自分は被害者だと主張し、さらに自分の意見を曲げません。
責任転嫁するタイプは、全てのDVをする傾向があります。
批判的な言動を繰り返すタイプ
批判的な言動を繰り返すタイプは、批判や悪口が多く被害者を侮辱したり、人前で恥をかかせたりします。子供がいる家庭なら、子供の前でもかまわず批判や悪口を言い続ける人も。
被害者は心理的暴力を受け続けられたため、尊厳や人格が酷く傷つけられ自己否定感が強いです。長引くと、次第に精神的ダメージが大きくなり「無力感」「虚無感」が形成されます。
批判的な言動を繰り返すタイプは、心理的DVをする傾向があります。
弱いものいじめをするタイプ
弱いものいじめをするタイプは、弱者に対しての優しさや思いやりがなく、いじめや虐待を平気で行ってしまいます。
罪悪感を持つことは少なく、相手のダメージを冷静に見極めつつ、ひどい暴力や暴言を繰り返し行います。
弱いものいじめをするタイプに多いのが、動物虐待をしてしまうケースです。差別意識も強く、自分より下だと思うと平気で他人に対して侮辱をします。
弱いものいじめをするタイプは、心理的DVをする傾向があります。
このように、DV加害者には5つのタイプに分かれます。
さらに、その日の気分で他のタイプに変わったり、元のタイプと組み合わさることもあるので注意が必要です。
DVをする人の特徴
DVをする人の4つの特徴を紹介します。
自分の失敗を他人のせいにする
DVをする人は、自分の失敗を認めず、他人に責任を押し付けるのが特徴です。
ミスをしても素直に謝らず、他人のせいにしたり「どうして私はいつも〜なの」と自分が理不尽な目に合っていると思い込んだりします。
愚痴が多い
DV加害者は、何かにつけて不満に思うことが多いため、愚痴が多いのが特徴です。愚痴が多い人の全員がDVをするというわけではありませんが、DVをする人に多い特徴の1つです。
外面はいい
DV加害者になる人は、表面上で付き合う分には人当たりの良い人が多いです。
愛想よく、にこにこしているように見えますが、外面を良くしている分だけ家の中では不機嫌になるケースがあります。
時折見せる暴力性が激しくないか、しっかりと観察する必要があります。
物に当たることがある
DVをする人の中には、怒ったときなどに物に八つ当たりしてしまう人がいます。
物に暴力をふるうことでストレス発散をし、物への暴力で満足できなくなると、だんだんと気を許しているパートナーにも当たるようになってくるのが一般的です。
DVの「共依存関係」になる前に関係を断ち切ることが重要です。
DVを支える心理は共依存関係にある
DV加害者とDV被害者には、ともに強い劣等感を抱えているという共通点があり、お互いに劣等感を埋め合うという共依存の関係が成り立ちます。
DV加害者は、自尊心を得るためにパートナーに暴力や暴言を吐くだけでなく、逃げられないように自分に依存させるように仕向けます。
「本当に悪いことをした」と優しく相手に許しを求めたり、身体の傷や心の傷を慰めたりする行為は、自分への依存を高めようとする行為です。
一方で、DV被害者には暴言・暴力などを受け入れる心理、逃げ出せない心理があります。
「自分はダメな人間」「この人に見捨てられたら生きていけない」と思い込んでいるため、暴力を振るわれても見捨てられないように耐えるのです。
また、両親が過保護や過干渉である場合も、DV加害者・被害者になりやすいです。
両親が過干渉であると怒りや不安を制圧されてしまい、潜在的に「怒り」が溜まった状態になり、ストレスを感じるとすぐに攻撃してしまうような性格になってしまいます。
DV加害者・被害者は共依存によって「満たされない欲求」を得ようとしますが、DVで満たされる欲求は一時的なものだと理解する必要があるでしょう。
幼少期の環境によってDVは連鎖しやすい
幼少期にDVを見たり被害を受けたりすると、ものすごく怖くて辛い経験として記憶に残ります。
しかし大人に成長すると、無意識で自分もDVされてきたのだから相手にDVをしてもいいという感覚になり、自分が受けてきたDVを自分の子供に繰り返すことは非常に多いです。
幼少期にDVが行われている環境で大人になると、自分が自覚していない劣等感を常に感じています。
少しでも自分を否定されたと感じると、他の人が思っている以上に強烈なストレスが溜まり、怒りが爆発してDVにつながってしまうのです。
また、DV加害者は劣等感の強さから上下関係を作りたがります。
自分が上でありたいために、支配的な態度で接してマウントをとります。
しかし、家庭内で上下関係を作っても愛情や自尊心は満たされません。
自己満足でDVを行なってしまうと、家庭内は常に緊張状態に陥り、パートナーや子供にとってリラックスできる場所ではなくなります。
身体的なDVをしていなくても、パートナーや子供がビクビクする環境を作ってしまっては、心理的なDVをしていると言えます。DVを連鎖させないためにも、家族がリラックスできる空間作りに力を注ぎましょう。
DVが子供に与える甚大な影響
家庭内でDVが起きている時、子供は部屋の隅で遊んだり本を読んだりして、一見気にせず遊んでいるように見えるかもしれませんが、実際は大きく異なります。
子供は全部「フリ」をしています。
おもちゃやゲームで遊んでいる「フリ」本を読んでいる「フリ」テレビを観ている「フリ」、全て「フリ」です。
愛を注いでくれるはずの両親が、加害者と被害者になっている光景に、気づいてない「フリ」をすることで精一杯なのです。
次第に子供は内向的・人間不信・閉鎖的になるなど様々な精神的障害を負います。
家庭内DVが当たり前の光景になっていると、一緒に生活している子供には深刻な精神的ダメージを受けます。
家庭内DVが起きていると、多くの場合はパートナーにとどまらず、子供にも向けられ「児童虐待」につながるケースが多いです。
実際にDVが起きている家庭において、親から身体的虐待を受けている子供は60%~70%、心理的虐待はほぼ100%の子供が受けています。
「暴力」が問題解決の手段だと学んだ子供は、将来DVをしてしまう可能性が非常に高いです。
またDVを受けて育った子供は、他者に暴力をふるわなくても自傷行為や薬物・アルコールなどの依存症に陥ってしまう可能性があります。
子供が健やかに育つためにも、DVの連鎖は止めなければいけません。
子どもの発育・発達に最悪な影響がある
母親が父親から暴言・暴力を受けたり、逆に父親が母親から罵倒されたりする姿を見て、人に優しくできるような性格に子供が育つでしょうか。
人を馬鹿にするのではなく、良いところを見つけて認め合うことを教えるのが、本来の家族の在り方です。
ときには厳しい言葉で注意しなければならないときもありますが、子供は親の背中を見て育つため、口調や子の育て方なども自然と真似てしまいます。
意見がぶつかり夫婦喧嘩をするときもあって当然ですが、厳しい口調や相手を否定する姿を子供に見せるのはよくありません。
また、ヒステリックになり自分をコントロールできない姿を見せるのも、子供には悪影響です。
家庭内でストレスがたまっても、感情をぶつけるのではなく、話し合いと助け合いの精神で話し合いをするようにしましょう。
コミュニケーション不足がDVに繋がることも
両親が共働きなどで家にいない幼少期を過ごした場合や、両親が趣味などを優先して子供と十分なコミュニケーションが取れていない場合は、DVをしてしまったりDVに耐えてしまったりする原因になりやすいです。
両親とコミュニケーションが不足しているため、褒めてもらうことが少なく自己肯定感や自己承認といった感情が育ちません。
自己肯定感が低いため、冗談を言われても冗談と思えず傷ついてしまい、人間関係がうまく築けなかったり、結果DV加害者・被害者になったりしてしまうのです。
DVを改善する9つの方法
ここでは、DVを改善する方法について解説していきます。
人を上下で判断する認知を修正する
職場では「頭がいい」「要領がいい」「仕事が速い・遅い」など、能力を評価されることが多く上下関係を意識しやすい環境です。
また、優秀な人と比較して自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
しかし、職場での上下関係の意識を家庭に持ち込んではいけません。
夫婦は尊重し合い、パートナーや子供のやりたいことを応援することが大切です。
しかし、自分に自信がない人は、相手を暴力や恐怖で支配しようとします。
自信のなさから暴力を振るってしまう人は、幼い頃に親から同じような扱いを受けてきているケースが多いです。
幼い頃から暴力や恐怖での支配を受けて育つと、支配関係でしか愛情表現ができないと認識してしまいます。
結婚生活は「愛情や信頼関係」で成り立つものと理解できると、自然と相手への接し方も変わってくるので、少しずつ認識を変えていきましょう。
自己の劣等コンプレックスを認め自信を持つ
自分の劣等感によって相手を傷つけてしまうのであれば、自分に自信が持てるように何かに取り組んでみるのが効果的です。
趣味や仕事、勉強など没頭できるものができると、目の前の人間をコントロールしたいという意識から削がれるため、DVの症状を緩和させやすくなります。
まずは、何か熱中できる趣味や仕事探しから始めてみましょう。
幼少期からの考え方の脱却
DVの加害者・被害者は、幼少期からの考え方に囚われていることが多いです。
幼少期から自分を大切に扱ってこなかったのが原因で、自分の体裁や自分のことだけに意識が向きやすくなっているのです。
日々の生活の中で、誰しも相手に対してイライラすることはあります。
しかし、自分本位の考え方で相手を変えようと思って注意をしてしまうと、喧嘩になって自分も相手も嫌な気持ちになります。
相手に気持ちを伝えるときは「自分の注意や発言で相手がどう受け取るか」という考え方を持つことが大切です。
相手を軸に考えられるようになると、自然と相手を束縛したり馬鹿にしたりするといったDVはなくなり、自分も相手も笑顔になれます。
もし自分本位の考え方がどうしても変えられない方は、ぜひ当セラピーのカウンセリングを利用してみてください。一緒に考え方や捉え方を修正していきましょう。
結婚生活は職場とは違うと理解する
結婚生活は職場のように効率や関係性を求めすぎてはいけません。
お互いの気持ちを伝え合うことは大切ですが、感情的になりすぎると必要以上に相手を傷つけたり、話し合いが決裂したりしてしまいます。
また、自分の意見を無理矢理通そうと思って意固地になると、暴力に発展してしまう危険性があります。
話し合いがうまくいかない理由をパートナーの責任だけにしてはいけません。子供がいるのであれば、なおさら感情的に意見をぶつけることを避け、話し合いで解決するように心がけましょう。
どうしてもパートナー同士で尊重する余裕がない場合は、お互いに距離をとることが必要です。
世間体を考えすぎて別居できなかったり、離れることができなかったりする共依存の関係性になっている人も多いですが、現状を変えるためにも思い切って距離を取ることを選びましょう。
評価に見合った行動をとる
人は相手から良い評価を受けることで、その人からの評価を下げたくないという心理が働き、相手からの信頼や期待に応えようと取り組みます。
一生懸命に取り組む姿勢は、自己肯定感も高まり自信が持てるようになるので、劣等感を取り払うのに有効的です。
劣等感を抱き相手に威嚇的な態度をとる姿は、怯えて吠えている犬と同じで相手も怯えて距離をとってしまいます。
まずは劣等感から脱出するために、相手からの信頼や評価が得られるように、小さなところから行動を変えていきましょう。
自分に自信を持てば人の評価が気にならない
自分に自信がない状態は気持ちが不安定になりやすく、不安を抱えると暴力で薙ぎ払おうとしてしまいます。
自分に自信が持てると暴力じゃなく、言葉で気持ちを伝えられるようになるので、話し合いで解決できたり、自分の魅力をわかってもらえたりします。
パートナーを傷つけず、尊重し合える関係を作るために、まずは自分に自信が持てるような取り組みから始めてみましょう。
また、パートナーと意見が対立してしまったときは、暴力で訴えるのではなく、言葉で丁寧に自分の意見を伝えましょう。
人は思い通りにいかないものだと悟ること
人はそれぞれ考え方や価値観が異なるので、相手をコントロールすることはできません。
パートナーや子供も、それぞれの考え方や価値観があるので意見が衝突してしまうことがあるのも当然だということを認識しておきましょう。
「考え方が違う」と区別だけしてしまうと、相手と距離を感じるかもしれませんが、思いやりがあれば心配ありません。
思いやりがあれば家族のために仕事を頑張れたり、優しく接したりすることができます。
また、父親と母親のお互い思いやる姿は、子供にとって将来のパートナーと良好な関係を築く、最高の教科書にもなります。
DVには毅然たる態度で臨むことも必要
DVを受け続けることで「自分が悪いから」という感覚に陥りやすいですが「DVされたら離れる・別れる」という決意を持っておくことが大切です。
DV加害者は「もうしない」と言いつつも、また同じ行動を繰り返すケースがほとんどです。
謝罪を信じて何度も我慢し続けると、共依存の関係になり徐々に離れられなくなってしまう恐れがあります。
一緒にいるのであれば、楽しく幸せな状況であるべきです。楽しく思えないのであれば、パートナーとの距離を取ることを検討しましょう。
DV加害者は相手の幸せを無視して、相手が自分から離れないように計算して接します。
共依存の関係はお互いにとって良くありません。
相手を大切に思うなら、離れる勇気も持ちましょう。
閉鎖的な環境に陥らないことが大切
DVになっている場合は、誰にも相談できずに悩んでいる可能性が高いです。感覚が麻痺する前に、誰か信頼できる人に相談したりSOSを示しましょう。
相手と自分しか見えていないとDVがエスカレートする可能性があります。第三者に相談して、きちんと対応をしていくことが必要です。
専門のカウンセラーに相談するのもおすすめです。カウンセリングを受ける際には、DV加害者・被害者の両方が一緒にカウンセリングを受けて、自分の中にある劣等感を克服していきましょう。
聖心こころセラピーでは、DV加害者・被害者両方の考え方を変えていけるように、加害者・被害者両方の意見を伺いながら心理的なアプローチを行います。
DV克服に向けて
DV被害者の中には、辛いにも関わらず相手と別れられない人が多くいらっしゃいます。
特に夫婦の場合、離婚に対して世間からの否定的な見方があるために、簡単に関係を断ち切ることが難しいかも知れません。
しかし、加害者も被害者も今の関係に「幸せ」を感じられないようであれば、離婚などの「離れる」方向、もしくはDVが起きる「原因を取り除く」ことが必要になってくるでしょう。
お互いの気持ちの整理が図られるように環境を整えることも重要です。
しかし、DV加害者・被害者である両者の「劣等感」や「不安感」の認識を改善していかなければ、DVの根本解決には至りません。
大阪聖心こころセラピーでは、幼少期から育った環境の中で身につけてしまった、不幸に向かってしまう歪んだ考え方を修正し自己肯定感を高めます。
自己肯定感が上がれば気持ちに余裕を持つことができ、DVが起こらないような互いを尊重しあう関係の構築が可能です。
大阪にある夫婦DVカウンセリングのご相談は、聖心こころセラピーへお越しください。
DVの問題に精通し、夫婦やカップルの相談を数多く受けてきた専門のカウンセラーがDVの問題や悩みを解決へと導きます。