うつ病カウンセリング

 

うつ病・鬱病のサインには、いわれの無い不安感や、訳も無く悲しみに沈み、また孤立感・疎外感・孤独感に苛まれるなど、その結果、食欲不振・睡眠障害・引きこもりなどが起こり生命活動が極端に鈍る状態に陥り脱出が困難となる。

関連性のあるテーマ

当カウンセリングは、診断や治療といった医療行為を行うものではありません。臨床心理士や公認心理師といった専門資格を持つカウンセラーが、認知行動療法などの心理療法を用い、様々な問題で悩む方々に対し、ご自身の心と向き合い、不安のメカニズムを理解し、日常生活をより穏やかに過ごすための専門的なサポートを提供します。


本記事は、アメリカ精神医学会(APA)が発行する『DSM-5-TR:精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版 改訂版』に基づき、臨床心理士が専門的知見のもとに執筆・監修しています。本内容は診断や医療行為を目的としたものではなく、カウンセリングにおける理解を深めるための情報提供としてご利用ください。
目次

現代社会を生きるあなたへ、本当の「うつ病」を知ろう

「心の疲れ」

「うつ病は心の風邪」—そう言われることがありますが、本当に風邪のように誰にでも、簡単に治るものなのでしょうか?突然発症するように思われがちですが、実はその背景には、本人も気づいていない深い理由が隠されていることがほとんどです。

この記事では、うつ病という心の病がどのようなものなのか、そしてその原因や治療法について、精神医学や心理学の専門的知見を交えながら、分かりやすく解説していきます。

医療機関と心理療法:両輪で進む「うつ」の治療

「うつ病治療」

うつ病の診断は医師が行う医療行為であり、精神科や心療内科では薬物療法が中心となります。薬物療法は、脳内の神経伝達物質の働きを調整し、症状の軽減に効果があるとされています。ただし、薬だけで十分な改善が得られない場合もあり、その際には心理療法や生活環境の調整など、複合的な支援が重要となります。

大阪聖心こころセラピーには、薬物療法で効果を感じられず、行き詰まってしまった方が多くいらっしゃいます。私たちがこれまで多くのクライアント様と向き合ってきた中で見えてきたのは、うつ病の根本原因の多くが、幼少期の環境で形成された思考パターンや物事の捉え方にあるということです。薬は脳の神経伝達物質に作用するものであり、長年染み付いた思考の癖を変えることはできません。

私たちは、薬だけに頼るのではなく、一人ひとりの心の状態に合わせた根本療法を大切にしています。過去を深く掘り下げ、現在の問題を解決することで、より良い未来を築くお手伝いをします。

薬物療法に頼るだけでは解決できない理由

精神科や心療内科の医療行為を否定するものではありません。しかし、つらさを訴える患者様に対し、より強い薬が処方されるケースは珍しくありません。精神安定剤や睡眠導入剤を長年服用しても、根本的な解決に至らず、覇気のない表情になってしまう方も多く見受けられます。

薬物療法は症状の苦痛を和らげる効果がありますが、同時に気分や意欲に影響を与えることもあります。そのため、薬の効果や副作用については主治医と相談しながら調整していくことが大切です。

大阪聖心こころセラピーでは、薬で解決できなかった思考パターンそのものに変化をもたらす、根本的なアプローチを重視しています。長年抱えてきた「生きづらさ」の根源に向き合い、新しい自分へと踏み出すお手伝いをいたします。

知っているようで知らない「うつ病」の種類

「うつ病」と一口に言っても、その原因や症状は多種多様です。DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)やICD-11(国際疾病分類)といった診断基準に基づき、様々な病型が定義されています。ここでは、うつ病を大きく3つのタイプに分類し、それぞれの特徴を詳しく解説します。

1.環境やストレスが引き起こす「心因性うつ病」

心因性うつ病は、人生の出来事や継続的なストレスが引き金となり発症するタイプです。以下のように、さらに細かく分類されます。

神経症性うつ病:性格の偏りが生み出す心の不調

神経症性うつ病は、比較的軽症のうつ病で、元々の性格や「考え方の癖」が深く関係しています。例えば、常に強い不安感や恐怖心を抱きやすい、悲観的な思考に陥りやすいといった傾向です。若い頃から人生を悲観的に捉え、楽しみの少ない生活を送ってきた方に多く見られます。

このタイプのうつ病を克服するためには、薬物療法ではなく、認知行動療法などを通して、歪んだ思考パターンを根本的に「修正」していくことが不可欠です。

慢性うつ病:燃え尽き症候群の果てに待つもの

慢性うつ病は、長期間にわたるストレスが原因で発症します。俗に言う「燃え尽き症候群(バーンアウト)」が代表的な例です。これは、特定の目標に向かって努力し続けた結果、達成した後に目標を見失い、無気力や強い自責の念に襲われる状態を指します。

「良い大学に入ること」「良い会社に就職すること」「資格を取ること」など、一つの目標にすべてを捧げた結果、心の中が空っぽになってしまうのです。この状態から立ち直るためには、新しい目標を見つけたり、過去の努力を認め、自分を肯定することが重要です。

反応性うつ病:大きなショックから立ち直れない心

反応性うつ病は、近親者の死や失恋など、特定の強いストレス体験によって発症するものです。通常であれば、時間が経てば回復する心の落ち込みが、長期間にわたって続き、日常生活に支障をきたします。

強い不安感や意欲の低下に加え、睡眠障害、頭痛、過敏性腸症候群など、自律神経系の身体症状を伴うことも少なくありません。このタイプのうつ病は、原因となった出来事と向き合い、心の傷を癒すことが回復への鍵となります。

2.生まれつきの体質や気質が関係する「内因性うつ病」

内因性うつ病は、特別な理由やきっかけがなく、脳内の神経伝達物質のバランス異常など、遺伝的な要因や体質が関係していると考えられています。気分が落ち込み続け、不眠や意欲低下といった症状が現れます。

このタイプのうつ病は、さらに細かく分類できます。

単極性うつ病:理由のない気分の落ち込みに襲われる

単極性うつ病、一般的に「大うつ病」と呼ばれるタイプです。何らかのきっかけがあったわけでもないのに、常に気分が落ち込み、無気力に支配されます。病院では、心因性の原因を特定するよりも、現れている「症状」のみを重視するため、このタイプと診断されることが多く見られます。しかし、実際には、理由が見当たらない内因性うつ病よりも、心因性うつ病の方が圧倒的に多いと考えられています。

双極性うつ病:感情のジェットコースター

双極性うつ病、通称「躁うつ病」は、気分が高揚する「躁(そう)状態」と、気分が落ち込む「うつ状態」を交互に繰り返すのが特徴です。躁状態の時には、自分が超人的になったかのように感じ、衝動的な買い物や大きな決断をしてしまいがちです。一方で、うつ状態の時には、自分は世界一情けない人間だと感じ、自己嫌悪に陥ります。この極端な気分の波は、周囲の人々にも理解されにくく、対応に苦慮させてしまいます。

退行性うつ病:人生の転換期に現れる心の影

退行性うつ病は、中年以降(一般的に45歳以降)に発症するうつ病です。女性の更年期障害に伴う気分の落ち込みや、男性にも見られるようになった男性更年期障害がきっかけになることもあります。

「まさか自分がうつ病になるなんて」と考える、精神的にタフだった人に多く見られます。本人は「特に思い当たる理由はない」と感じていても、実は背景に明確な原因が潜んでいる場合がほとんどです。このため、多くのケースで心因性うつ病の要素が強いと考えられます。

3.身体の病気が引き起こす「身体因性うつ病」

身体因性うつ病は、身体の病気や服用している薬の影響で発症するうつ病です。主に「器質性うつ病」と「症状性うつ病」に分類されます。

器質性うつ病:脳の病気が引き起こす心の問題

器質性うつ病は、脳腫瘍、認知症、てんかんなど、脳に直接的な疾患がある場合に発症します。このタイプのうつ病は、カウンセリングや心理療法だけでの改善は難しく、病院での薬物療法が適しています。

症状性うつ病:全身の病気がもたらす精神症状

症状性うつ病は、糖尿病、パーキンソン病、インフルエンザなど、脳以外の身体疾患が原因で起こります。病気がもたらす身体的なつらさや、それに伴う生活の変化が、うつ状態を引き起こすのです。ただし、病気になったことによる気分の落ち込みが原因である場合は、「心因性うつ病」に分類されることもあります。

意外と身近に潜む「うつ病」の多様な姿

うつ病は、ここで紹介した3つの主要な分類以外にも、様々な形で私たちに忍び寄ります。特に現代社会において、その病態は多様化していると言えるでしょう。

産後うつ:マタニティブルーを越えた心のつらさ

産後うつは、出産後の女性に起こるうつ病です。「マタニティブルー」が一時的な気分の落ち込みであるのに対し、産後うつはより長期間にわたって続きます。

憂鬱な気分、食欲不振、不眠といった症状に加え、「こんなにイライラしてしまう私は母親失格だ」と自分を責めてしまうこともあります。早期に適切な治療を受けなければ、症状が悪化する可能性があるため、周囲のサポートが不可欠です。

仮面うつ病:身体症状に隠された心のSOS

仮面うつ病は、憂鬱感などの精神症状が目立たず、頭痛、めまい、動悸、肩こり、食欲不振といった身体症状が前面に出てくるタイプのうつ病です。

心のつらさが「仮面」の下に隠れてしまうため、内科や消化器科を受診しても原因が分からず、無意味な治療を続けてしまうケースも珍しくありません。原因不明の身体の不調に悩まされている方は、仮面うつ病の可能性を疑ってみることも大切です。

軽症うつ:うつ病への入り口

軽症うつは、うつ状態とそうでない状態を行ったり来たりする、軽度のうつ病です。身体症状が中心に現れることが多いため、心の病であると自覚しにくい傾向があります。いわば、「うつ病予備軍」とでも言うべき状態です。

常に憂鬱な気分が続くものの、日常生活は何とかこなせてしまうため、放置されがちです。しかし、早期に原因を特定し、対策を講じなければ、本格的なうつ病に発展してしまう可能性があります。

新型うつ病:状況によって気分が変わる現代型うつ

新型うつ病は、別名「非定型うつ病」とも呼ばれ、特定の状況下でだけ症状が現れるのが特徴です。例えば、仕事中や学校では意欲が低下し憂鬱な気分に襲われるのに、プライベートでは元気に過ごすことができます。

このため、「わがまま」「甘え」だと周囲から誤解されやすく、理解を得ることが非常に難しいのが現状です。このタイプのうつ病は、元々の性格的な要因が深く関係していると言われています。

疲弊性うつ病:頑張りすぎて心が折れてしまう

疲弊性うつ病は、長期間の持続的なストレスによって発症するうつ病で、燃え尽き症候群がより深刻化したものです。

完璧主義で頑張り屋な性格の人がなりやすく、疲労やイライラといった前兆に気づかず、自分を追い込んでしまいます。気づいた時には症状が悪化しているケースも少なくありません。

うつ病になる人の思考のメカニズム

「楽しみとは何か」

うつ病は、決して特別な人だけがなる病気ではありません。実は、真面目で、責任感が強く、一生懸命頑張る人ほど、うつ病になりやすい傾向があります。

自分の頑張りを認められない自己否定の連鎖

うつ病になる人は、自分の頑張りをなかなか認められません。たとえ人から高く評価されても、「自分はもっとできるはずなのに」と、常に自分を責めてしまうのです。完璧を求めすぎるあまり、少しの失敗や至らない点があると、すぐに自己嫌悪に陥ります。

「もっとこうすべきだった」「なぜ自分はこんなこともできないんだ」といった、自虐的な思考が頭の中を支配し、徐々に心が疲弊していきます。

できない自分を受け入れられない苦悩

過剰な仕事量や、能力以上のことを求められた時、うつ病になることがあります。自分の能力と状況が合っていないにもかかわらず、「できないことは恥ずかしい」と考え、誰にも助けを求められず、一人で抱え込んでしまうのです。

周囲が簡単にこなしているように見えることでも、自分には難しく感じ、自信を失ってしまう。そのような負のスパイラルに陥ると、うつ病へと繋がっていきます。

楽しめない、楽しむべきではないという思考

うつ病に陥ると、日常生活の中に楽しみを見いだせなくなります。「私なんか、楽しんでいいはずがない」といった、歪んだ思考に支配されてしまうこともあります。

長年培ってきた思考の癖は、一朝一夕には変わりません。しかし、自分の考え方のパターンを把握し、「今日はここまでできた」と小さな成功を自分自身で褒めてあげることから、少しずつ改善していくことができるのです。

 あなたの「うつ病」を引き起こす身近な存在

「心の傷」

うつ病は、個人の性格や思考パターンだけでなく、周囲の環境、特に人間関係が大きく影響します。

身近な人物からの「マルトリートメント」

会社での威圧的な上司、家庭での過干渉な親、いじめてくる友人など、人間関係はうつ病の原因となることがあります。特に、子ども時代の不適切な養育(マルトリートメント)は、脳の発達に悪影響を及ぼし、大人になってからのうつ病に繋がることがあります。

「子どものため」「こうあるべき」といった考え方を押し付けられ、自分の意見を尊重されずに育った子どもは、自発性を失い、自己肯定感が低くなる傾向があります。

愛する人の死がもたらす深い心の傷

身近な人や愛する人の死も、うつ病の引き金になることがあります。誰でも悲しみや喪失感を感じますが、その感情が長期間続き、生きる意味を見失ってしまうと、うつ病に発展する可能性があります。一人で悩まず、専門家に話すことで、気持ちを整理し、立ち直るきっかけを見つけることが大切です。

予防と克服:うつ病を乗り越えるためのヒント

うつ病を克服し、そして予防するためには、日々の生活の中で意識的に行動することが重要です。

完璧主義を手放し、助けを求める勇気を持つ

真面目な人ほど、一人で抱え込みがちです。しかし、「できないことは恥ずかしい」と考えるのではなく、「助けてほしい」とSOSを発信することは、自分自身と家族を守るために必要なことです。

目標が高すぎる場合は、少し下げてみたり、小さな目標を一つずつクリアしていくことで、着実に自信を積み重ねていくことができます。

聖心こころセラピーの根本療法

聖心こころセラピーでは、薬に頼るのではなく、うつ病の根本原因にアプローチする「根本療法」を重視しています。心理テストで思考パターンを分析し、カウンセリングでじっくりとお話を伺い、うつ状態に陥った経緯や原因を深く理解します。

そして、ヒプノセラピーなどを通して、潜在意識に染み付いた不都合な考え方の癖を、より良い方向へと修正していきます。

私たちは、苦しみの多くは「自分自身にそぐわない考え方を身につけている」ことにあると考えています。本来の自分に合った考え方へと切り替えることで、うつから脱却し、安心した穏やかな日々を送れるようになります。

大阪でうつ病の悩みを抱えている方へ

もしあなたがうつ病で苦しんでいるなら、一人で悩まずに、ぜひ一度ご相談ください。うつ病に精通したカウンセラーが、あなたの問題解決へ向けて、心を込めてサポートいたします。

私たちは、あなたがより自分らしく、前向きに人生を歩んでいけるよう、全力で寄り添います。

聖心こころセラピーが提供する根本療法とは

当セラピーは、一般的な精神科や心療内科とは異なるアプローチで、うつ病の根本解決を目指しています。薬物療法が対症療法であるのに対し、私たちは心の奥底に潜む「原因」に焦点を当て、それを解決することで症状の改善を図ります。

1.自己理解を深める精密な心理テスト

私たちはまず、多角的な心理テストを実施し、クライアント様の思考パターンや性格傾向を詳細に分析します。これにより、「なぜうつ状態に陥ってしまったのか」という根本原因を、クライアント様自身も客観的に理解できるようになります。

このテストは、単に「うつ病かどうか」を診断するものではありません。無意識の思考パターン、物事の捉え方、ストレスへの対処法など、心の働きを可視化することで、今後のカウンセリングを効果的に進めるための道しるべとなります。

2.じっくりと話を聴く傾聴カウンセリング

テスト結果を踏まえ、経験豊富なカウンセラーが、クライアント様のお話をじっくりと伺います。過去の出来事、家族や友人との関係、仕事や学業での経験など、うつ状態になるに至った経緯や環境を丁寧に掘り下げていきます。

ここでは、クライアント様がこれまで誰にも話せなかった気持ちや感情を、安心して話せるような安全な空間を提供します。話をすることで、自身の内面を整理し、客観的に見つめ直すことができるのです。

3.潜在意識に働きかけるヒプノセラピー

カウンセリングで特定された思考の癖や問題に対し、私たちはヒプノセラピー(催眠療法)を活用することがあります。ヒプノセラピーは、意識的な思考では変えられない、潜在意識に強く働きかけることができる強力なツールです。

例えば、「自分は価値がない人間だ」という根深い思い込みがある場合、ヒプノセラピーを通して、その思い込みが形成された原因を探り、より肯定的な自己像へと書き換えていきます。

意識と無意識の両方に働きかけることで、長年染み付いた「生きづらさ」のパターンを根本から変え、新しい考え方を身につけることができます。

事例:本当の自分を取り戻すプロセス

ここでは、実際に当セラピーでうつ病を克服された方の事例をいくつかご紹介します。

事例1:過干渉な親が引き起こした「受け身の人生」からの脱却

ある女性は、理由もなく常に漠然とした不安感に悩まされ、うつ状態が続いていました。両親が何から何まで彼女のために決めてくれる生活に甘え、自分では何も決められない「受け身」の人生を送っていたのです。

カウンセリングを通して、彼女は「自分で決めること」の重要性に気づきました。最初はおそるおそるでしたが、小さなことから自分で決めて行動し始めると、少しずつ自信がつき、うつ状態が改善していきました。

親が「善かれ」と思ってしてきた過干渉が、彼女の自立心を奪い、無力感を生み出していたのです。自分で決めて行動し、たとえ失敗しても、そこから学ぶことで、彼女は前向きに人生を歩み始めました。

事例2:厳格な父親への恐怖が生んだ心身の不調

原因不明の腹痛や頭痛に悩まされていた女性がいました。これらの症状は、厳格な父親が家にいない時には嘘のように消えていたのです。カウンセリングの結果、彼女の身体症状は、父親に対する「恐怖感」と「萎縮」からくるものだと判明しました。

父親との適切な距離の取り方や、自分に自信を持つための思考のコントロールを訓練することで、彼女の心身の不調は徐々に回復していきました。

最終的には、父親に対し自分の意見をはっきりと伝えられるようになり、長年悩まされていたうつ病と身体症状を克服しました。

事例3:愛する人の死から立ち直る

大切な人の死は、誰にとっても大きな悲しみです。ある男性は、最愛の母を亡くして以来、生きる意味を見失い、うつ病のような状態に陥りました。カウンセリングでは、彼の悲しみや喪失感を十分に受け止め、自分の気持ちを整理する機会を設けました。

誰にも言えなかった「寂しい」「つらい」という気持ちを言葉にすることで、彼は少しずつ前向きな気持ちを取り戻していきました。時間はかかりましたが、彼は新たな目標を見つけ、再び人生を歩み始めています。

うつ病予防:今日からできる心のケア

うつ病は、予防することも可能です。以下のポイントを意識して、日々の心の健康を保ちましょう。

1.完璧主義を手放す

「完璧でなければならない」という思考は、自分自身を追い詰めることになります。仕事や家事、勉強でも、「ここまでやれたら十分」と自分にOKを出す練習をしましょう。少しの「手抜き」や「適当」は、心を楽にする魔法の言葉です。

2.小さな成功体験を積み重ねる

目標を高く設定しすぎると、達成できずに挫折感を味わうことになります。大きな目標の前に、「今日中にこのメールに返信しよう」「1時間だけ集中して勉強しよう」といった、すぐに達成できる小さな目標を立ててみましょう。その小さな成功を一つずつ積み重ねることで、自分に対する自信が育まれます。

3.SOSを発信する勇気を持つ

「助けてほしい」「分からない」と声を上げることは、決して恥ずかしいことではありません。一人で問題を抱え込まず、信頼できる人に相談したり、専門機関に助けを求めることは、うつ病予防にとって非常に重要です。

4.ストレスの原因と適切に向き合う

人間関係がストレスの原因になっている場合は、その相手と距離を置くことも大切です。家族や配偶者であっても、それが自分の心の健康を害しているなら、別居や離婚も視野に入れるべきかもしれません。

無気力な日々を漠然と過ごすよりも、自分自身の幸せを追求する道を選ぶ方が、何倍も心が晴れるはずです。

最後に:うつ病は克服できる

「克服」

うつ病は、あなたの心が弱っているサインです。そのサインは、あなたの思考の癖や、抱え込んでいる問題が原因で発せられています。

聖心こころセラピーは、あなたが自分一人で抱え込んでいる問題を、丁寧に紐解いていきます。そして、潜在意識に染み付いた思考の癖を修正し、本来のあなたらしい考え方へと導きます。

あなたは決して一人ではありません。あなたの心が本当に求めている「幸せ」を見つけるために、私たちと一緒に一歩を踏み出してみませんか?

大阪でうつ病の悩みや相談をお持ちの方は、ぜひ一度、聖心こころセラピーにご相談ください。心の専門家が、あなたの心の奥底に寄り添い、解決の糸口を見つけるお手伝いをいたします。

参考文献・参考資料

  • 大野裕(2010) 『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』 創元社
  • 清水栄司(2013) うつ病における薬物療法と心理療法の役割 精神神経学雑誌 115巻 2号
  • アメリカ精神医学会(著),日本精神神経学会(監訳)(2023) 『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアルテキスト改訂版』 医学書院

この記事を書いた人

榊原カウンセラーは臨床心理士・キャリアコンサルタント・管理栄養士。日本福祉大学大学院修了(心理学修士)、名古屋学芸大学卒。公立小学校での栄養教諭を経て、現在は心理・教育・栄養の複合的な視点から支援活動を行う。日本心理学会・日本心理臨床学会会員として、心の健康や対人関係に関する情報発信・執筆にも力を注いでいる。

この記事の監修者

公認心理師・臨床心理士。教育支援センターやスクールカウンセラーとして不登校支援や保護者相談、教職員へのコンサルティングに従事。心療内科や児童発達外来にて心理検査・カウンセリングも担当。現在はオンラインカウンセリングや、心理学と仏教を融合させたセミナー活動などを行っている。

目次