脳は簡単に騙される


こんにちは、カウンセラーの坂上です。
先日、京都で開催されている、チームラボバイオボルテックス京都のアートワークを体験してきました。
暗闇に広がる光、動きに反応する映像、境界のない空間。
特に一つのコーナーでは眩暈を覚えて転びそうになりました。中には酔う人もいるそうです。
床が手前から奥にむかってやや斜めに盛り上がる中を、さまざまな光の映像が縦横無尽に走り、まるで自分が宇宙空間に投げ出されているような感覚に陥ります。
バーチャルリアリティーの世界を体験しているような感じですね。
善光寺や朝護孫子寺には、真っ暗な中を手探りで進むご戒壇巡り(胎内巡り)というものがありますが、前後はもちろん上下もわからなくなる、あの不思議な感覚にも少し似ていました。
このコーナーで私が感じたのは、「脳はなんて騙されやすいんだろう」ということでした。
脳は、視覚情報や音、光の変化、予測といったものを組み合わせて「現実らしきもの」を作っています。
つまり私たちは、事実そのものではなく、脳が作った“解釈”を体験しているのです。
これは日常生活でも同じです。
例えば、「あの人は私を嫌っているに違いない」
「私はどうせうまくいかない」
「失敗した=自分はダメだ」等々。
これらは事実でしょうか?
多くの場合、それは脳が作ったストーリーです。
チームラボの空間で光や音に騙されるように、私たちは脳の作り出す“思考”に騙されています。
ここが大事なポイントで、脳が騙されやすいということは――環境を変えれば、感じ方も変わるということです。
展示空間が感覚を変えたように、環境・言葉・視点を変えることで、人生の体験は変えられるのです。
では、脳の騙されやすさを逆手に取る方法を、いくつか考えてみましょう。
- 言葉を意図的に選ぶ
「最悪だ」ではなく、「うまくいかなかったけど学びはあった」と言い換えてみましょう。
脳は言葉通りに世界を作ります。
- 環境をデザインする
チームラボが空間を設計するように、私たちも自分の生活空間を設計できます。
例えば、光を変える、香りを取り入れる、視界に入る言葉を変える・・・
これは立派な“心理介入”です。
- 思考を事実と分ける
「私はダメだ」 → 「“私はダメだ”という考えが浮かんでいる」
この一歩の距離が、脳の錯覚から自由になる鍵です。
チームラボ京都の作り上げている世界は、まるで私にこう語りかけているようでした。
「現実は固定されたものではない。あなたの感じ方次第で世界は変わる。」
もし脳が簡単に騙されるなら、意識的に“騙してあげればいい”。
悲観よりも希望に。自己否定よりも自己理解に。
それは逃げではありません。それは自分の脳の特性を理解した、賢い選択です。
あなたの見ている世界も、あなたの脳が作った作品かもしれません。
あなたは今日、世界にどんな光を当てますか?
