味の記憶


誰にもこだわりの味というものがある。
美味しいと感じる味、好きな味。
幼いころの家庭の味。
自分の中ではそれが1番。
調味料も然り。
最近友人との会話で、『おうちの味ってなに?』と話題になった。
調味料は何かとか、具材は何かとか。
いろんな内容でみなそれぞれ違って面白い。
カレーライスやオムライス。シチューやお鍋。
まさに母の味といっても過言ではない。
思い出の味である。
私は、年始には必ず我が家のお雑煮が食べたい。
これを食べないと1年が始まらない。
お雑煮は各地で異なることを幼いころは知らなかった。
両親ともに関西出身ではあるが、我が家では白味噌味ではなくおすましだった。
特別なものは入っていないが、その味がとても好きで、今でもこの味でなくては思っている。
慣れ親しんだ、思い出の味。
その頃の周囲の記憶も思い出す。
キッチンや食卓の様子、家族の表情や雰囲気。
大人になると味覚も変化していき、新しい味に挑戦もするが、最初に好きだったものは忘れない。
やっぱりずっと好きな味だ。
最初に食べた時の味は記憶に残っている。
もう同じように感動することはないので、同じ味を手に入れることはできないが、あの時とても美味しいと思ったその記憶がずっと生き続けているように思う。
慣れ親しんだ味は一生残るのかもしれない。
いいとか悪いとかではなく、ただ幼い頃に得た情報は尊い。
味覚以外の家庭内の習慣など、思い込みのきっかけになる。
いい思い出は大切に持ち続けつつ、新しいことも受け入れていきたい。
そして、その変化もまたいい思い出になる。
