マルトリートメントという名の児童虐待①


こんにちは、カウンセラーの坂上です。
皆さんはマルトリートメントという言葉をご存知でしょうか。
これは2018年に福井大学の友田明美教授が某TV番組で紹介されたことで、一般的になってきた言葉です。
日本語では大人から子どもへの「不適切な養育」と訳され、厚生労働省でも「児童虐待」に相当する概念として扱っています。
虐待というと暴力や暴言、育児放棄(ネグレクト)などをイメージする方がほとんどだと思いますが、それだけではなく、子どもの心が傷つくような関わり全般を指しており、さまざまなマルトリートメント(マルトリ)によって次のような脳の変化があるとされています。
⚫叩く・体罰・・・前頭前野が縮む
⚫否定的な言葉で叱る・怒鳴る・・・聴覚野が縮む
⚫夫婦喧嘩を見聞きさせる(面前DV)・お互いの悪口を聞かせる・ ・ ・視覚野が縮む
⚫性的な行為をしたり見せたりする、子どもが嫌がっているのに親が子どもの前を全裸でうろつく、子どもの着替えやトイレ等をのぞき見る等・・・視覚野が縮む
⚫長時間の動画視聴やゲームを許す・・・脳梁が縮む
⚫ネグレクト(子どもへの愛情や関心が薄く、食事を与えないなど基本的な養育責任を果たさない、スマートフォンばかり見て子どもを放置する等)・・・脳梁が縮む
ではそれぞれの脳の変化は、子どもにどんな悪影響を及ぼすのでしょうか。
【前頭前野の萎縮】
うつ病に似た症状が出やすくなったり、思考や感情のコントロールができにくくなったりして、問題行動を起こす確率が高くなり、非行に走りやすくなる。
【聴覚野の萎縮】
言葉の理解力の低下や心因性難聴になる可能性が高まる。
【視覚野の萎縮】
目から入る情報をキャッチする力や記憶する力が弱くなり、知能や学習能力が低下する可能性がある。
【脳梁の萎縮】
集団行動ができなくなったり、攻撃的になったりする。
この他、PTSDなどの精神疾患になるリスクや、愛着形成の問題から適切な対人関係を築くことができなくなる可能性が高まると言われています。
また、子どもの話を聞かなかったり無視したりすることや、きょうだい間差別、親の教育方針や進路を子どもに押し付けることなどもマルトリートメントに含まれます。
次回はそうしたマルトリートメントにどう対処すれば良いのか、お伝えしたいと思います。
