泣きたい夜もある

せつない夜がたびたび訪れる。
小さな頃から何度もあった。
自分ができないこと、足りないことを実感して、自分が他の人と比べて劣っているのではないか、ダメな人間なんだと、悲しくて不安になってしまう気持ち。
恥ずかしくなって、それを知られたくない、ダメな自分はバレてはいけない、こんな自分は価値がない…と誰もが感じたことがあるだろう。
絶えず自分の欠点が気になってしまう。。
他の人が褒められているのを見て、また勝手に傷ついてしまう。
楽しい時もあるし、すごく元気で、そんなことを考えずに済む時間もあるが、ふと1人になった時や夜眠りにつく前に今日の自分の言動を思い出して落ち込んでしまう。

誰かの何気ない言葉に傷ついたり、自分が軽く無邪気に言ってしまったことで相手の表情が変わったことに気づいてしまったり。
本当に自分はダメなんだ、人に迷惑をかけてしまっているんだ…と下を向いてしまう。
もう笑えない。泣きたくなる。

どうしたらこんな自分でなくなるのか。こんな自分ではだめだ。
ダメだダメだの大合唱が止まらない。
過去に捉われ、明るい未来が全く想像できなくなる、そんな夜。

自分の中にある、自分の失敗や恥ずかしいことをまた思い出してしまった。
数十年たっても忘れられない、過去の大失態。
忘れたいのにしっかり覚えているのも歯がゆい。

他人との比較。
比べて優劣をつけて自分で自分に✕をつけて、自分を責める。
そんな泣きたい夜もある。

でも責めるのはやめよう。
傷ついて悲しんでいる自分をまずしっかり味わって優しく包みこんであげよう。
私はこんなことをこんな風に感じて悲しいんだな、これができない、ここが足りないと思っているんだな、と自分の思いを噛みしめよう。

自分が自分を知るには、とても勇気がいる。
見たくない、知りたくない。痛い。

不思議なことに、少し時間がたって、日常生活が過ぎていく中で、ふと、自分が欠点だけではないことに気づいていく。
誰かの何気ない一言で、救われたりする。
そっか、自分も役に立てることがあるんだ。
よかった。

人に傷つけられることもあるが、人に救われることもある。
人との関係が苦しみの原因であることも多いが、人がいるから頑張れる。
自分との関わりを丁寧に、自分の言葉を聞いてあげて、自分に優しくすることで、人の気持ちに寄り添えたり、人といる楽しさに気づくことができる。

自分の欠点探しに飽きたら、次は自分のいいところ探しをしてあげよう。
また落ち込む夜が来ても、私は私のいいところを知っている。
立ち上がって歩いていけるはず。

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