夢


祖母の夢を見た。
夢の中では会話はなく、目覚めた祖母が私のことをじっと見ていた。
2人きりだった。
自然で違和感はなかった。
不思議だ。
一緒に過ごした時間は少ない。
年に数回しか会わないが、とてもやさしかった。
大げさなことはなかったが、不都合がないように、なにかといろいろ聞いてくれていた。
お菓子を一緒に買いに行こうと幼い兄と私と3人で出かけた時、近所の方に会って、とても、笑顔でうれしそうに私たちのことを紹介していたことを覚えている。
個性的ではっきりとモノを言う、気の強い方だった。
周囲の人からの評判はあまりよくなく、恐さもあった。
気を遣う人ではあったが、私や兄が遊びに行くととても喜んでくれ、いい子だいい子だと褒めてくれた。
嫌われないように、期待を裏切らないようにと意識して接してはいたが、たいしたことはできていなかっただろうと思う。
よく怒る人だったそうだが、私は怒られたことがない。
それもちょっとした誇りだ。
幼い私は何もできなかったし、おそらくたいした話もしていない。
でも大切に思っていてくれていることは、どこかでわかっていた気がする。
なぜ急に夢に出てきたのか、不思議だった。
これまでも登場したことはほぼない。
私が高校生の時に亡くなった。
病院からの知らせの電話を受けたのは私だった。
結局私からは何もできなかったし、私も何も理解できていなかった。
後々親から祖母の話を聞いたが、私に接してくれていた、その時の印象は何も変わらない。
私の名前も、祖母の意向だったと聞いている。
どんな人からでも、自分に向けて受けた愛情や優しさが全てで、周囲の人がどう思おうが何を言おうが、わからない、知らない。
無条件の愛とはよくわからないものなのかもしれない。
もっと接していたらいろんな感情が混ざって、同じように思えるかはわからないが…、
穏やかな目覚めだった。
久しぶりに、夢で逢えてよかった。
